第1回 KBRP ワークショップ(2014.10.03 開催予定)

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ゲノム編集技術を用いた環境依存的性決定機構の解析

熊本大学大学院自然科学研究科生命科学講座 准教授 北野 健

 多くの生物は、効率よく確実に子孫を残すため、環境に依存して雄と雌を作り分けるシステム(環境依存的性決定システム)を進化させている。特に魚類は、様々な生育環境によって性が左右されるため、このシステムを理解するためには大変優れた実験材料である。そこで我々は、遺伝子実験に最適なメダカ等を利用して、このシステムの分子機構を解析している。

 XX-XY型の性決定システムを持つメダカは、高温ストレス下で飼育するとXX個体が雄化するが、これはコルチゾル量の増加が一因であることを我々は見出している。最近、DNAマイクロアレイ解析により、高温ストレスにより誘導される因子を調べたところ、ヒートショックプロテイン70(HSP70)やHSP30を含むいくつかの分子シャぺロンを単離した。したがって、今後は環境依存的性決定システムにおける分子シャぺロンの役割を解析する必要がある。

 近年、ZFN(zinc finger nuclease)やTALEN(transcription activator-like effector nuclease)のような人工酵素が開発され、これらを利用したゲノム編集技術が急速に進展している。我々は、いち早くこの技術を取り入れ、広島大学との共同研究により、ゲノム編集技術を用いたノックアウトメダカ系統を作製している。本研究では、HSP70やHSP30の発現を制御するヒートショック転写因子1(HSF1)の機能解析を行うため、TALENを用いてHSF1ノックアウトメダカ系統を作製したので、この表現型について紹介する。

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